大手携帯電話会社から格安SIMに乗り換える際に、今まで通り通話ができるか不安になりませんか?
実は、格安SIMでも、SIMカードを正しく選べば問題なく通話ができます。
この記事では格安SIMで音声通話をするためのSIMカードや格安SIMの選び方と、おすすめの格安SIMをご紹介します。
最近は大手携帯電話会社の相次ぐ料金引き下げで格安SIMと大手携帯電話会社の料金の差も縮まりつつあるので、そちらもあわせてご紹介します。
目次
格安SIMでも通話ができる!
格安SIMには「データSIM」と「音声通話SIM」の2種類のSIMカードがあります。格安SIMで通話をしたい場合は、「音声通話SIM」を選ぶ必要があります。
格安SIMでも、音声通話SIMを選べば問題なく「080」や「090」などの電話番号を用いた通話をすることができます。今まで大手携帯電話会社で使っていた電話番号を引き継ぐことも可能です。
以下で、データSIMと音声通話SIMについてそれぞれご紹介します。
データSIMの特徴
データSIMとは、データ通信のみができるSIMカードです。検索してウェブページを見たり、Eメールを送受信したり、SNSなど様々なアプリを使ったりはできますが、携帯電話回線を利用した通話はできません。
通話はLINEやSkypeなどのアプリで十分だという方や、通話用の端末が他にあるという方におすすめです。
また、「SMS付きデータSIM」というSMSが使えるデータSIMもあります。
SMSとは、電話番号を用いて短いメッセージのやり取りができるサービスです。SNSなどでSMS認証が必要な際にも使えます。
しかし、SMS付きデータSIMでも、SMS用の電話番号を用いた通話はできないため注意が必要です。
音声通話SIMの特徴
音声通話SIMとは、データ通信やSMSに加えて音声通話ができるSIMカードで、データSIMに音声通話機能がついたものです。
お店の予約や、110や119の番号への発信を行いたい方、親しい人と音声通話でおしゃべりすることが多い方、仕事で音声通話が必要という方などには音声通話SIMがおすすめです。
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)という制度を使えば、大手携帯電話会社との契約で使用している電話番号をそのまま引き継ぐこともできます。現在使用している電話番号を引き継ぎ使用したい場合は、音声通話SIMを選びましょう。
音声通話のできる格安SIMの選び方
音声通話のできるSIMとできないSIMとの違いがわかったところで、以下では音声通話のできる格安SIMの選び方をご紹介します。
格安SIMで音声通話をしたい場合は、「通話時間・頻度」と「サポート力」に注目して選ぶのがおすすめです。
通話時間・頻度に合わせて選ぶ
格安SIM各社が提供している料金プランは、ほとんどがデータ容量で分けられていて、音声通話SIMを選べばどの料金プランでも音声通話ができます。
大手携帯電話会社では、かけ放題など無制限の通話プランが用意されていますが、格安SIMでは、一定の回数・時間内であれば定額で電話をかけられるオプションを各社で用意しています。格安SIMでも、会社によってはかけ放題など通話が無制限になるプランやオプションがある場合があります。
格安SIM各社が提供する通話アプリを使えば、通話料金が安くなったり、お得にかけ放題プランに加入できたりする場合もありますが、こうしたアプリの中には、「IP電話」と呼ばれる通話品質が劣るものも存在するため注意が必要です。
まとめると、格安SIMで通話をする場合は、通話時間・頻度に合わせて、主に以下の3つのパターンの中から通話する方法を選ぶことができます。
- 通話がお得になるプランやオプションには加入せず、20円/30秒の通話料金を、電話をかけるごとに支払う
- 一定の回数・時間内であれば定額で電話をかけられるオプションやプランに加入する
- かけ放題など通話が無制限になるプランやオプションに加入する
通話する時間や頻度に合わせてご自身に最適なプラン・格安SIMを選びましょう。
サポート力で選ぶ
格安SIMは一部を除いて実店舗を持たず、インターネット受付のみという会社がほとんどで、何かトラブルがあってもすぐに近くの携帯ショップに行き対応してもらうということは難しいのが現状です。しかし、端末の故障や設定の仕方が分からなくなったときには、しっかりとしたサポートを受けたいものです。
格安SIMでも、大手キャリアの子会社やグループ会社の場合は、実店舗を持ち対面で相談にのってくれるなどの手厚いサポートが受けられる場合もあります。また、実店舗がない場合でも、各社リアルタイムで不明点を解決してくれるチャットサポートや電話相談窓口が用意されていることがあります。
これらのサポート力の違いで格安SIMを選んでおけば、トラブル発生時にも安心です。
大手キャリアの新料金プランと格安SIMの料金比較
格安SIMで音声通話をする方法や、音声通話のできる格安SIMの選び方についてご紹介しました。
一方、NTTドコモ・ソフトバンク・KDDIの大手キャリアでは、2021年春を目安に、従来の料金から大幅に値下げした新プランの提供を予定しています。それにより、大手キャリアと格安SIMとの料金の差が縮まると予想されます。
以下では、NTTドコモ・ソフトバンク・KDDIの新プランのご紹介と、新プランの料金を、格安SIMを代表してLINEモバイルの料金との比較を行います。
NTTドコモ
NTTドコモでは、新プランahamoの提供を2021年3月から予定しています。
画像引用元:ahamo公式サイト
ahamoの主な特徴は以下の通りです。
- 月額2,700円(税抜)で20GB使える
- 5分以内国内通話無料
- 5G回線の利用が可能
実店舗での申し込みはできず、オンラインからの申し込みが必要だったり、キャリアメールが使用できなかったりというデメリットはありますが、従来のプランと比較して破格の料金設定となっています。
ソフトバンク
ソフトバンクでは、LINEモバイルを完全子会社化・吸収合併することによって誕生するオンライン専用の新ブランド LINEMOの開始を2021年3月から予定しています。
画像引用元:LINEMO公式サイト
SoftBank on LINEの主な特徴は以下の通りです。
- 月額2,480円(税抜)で20GB使える
- 5G回線の利用が可能
- LINEで利用するデータ容量が使い放題の「LINEがギガノーカウント」
LINEが使い放題になっているのが大きな特徴です。
また、5分間の通話定額が含まれないため、NTTドコモの新料金プランと比較して月額料金が安くなっています。5分間の国内通話かけ放題オプションは月額500円で追加することもできます。時間無制限のかけ放題オプションは月額1,500円で追加できます。
ソフトバンクショップなどの店舗を構えないオンライン専用サービスのため、ショップでの申込み・サポートはできません。各種手続き、申込みはウェブとLINEアプリから可能です。
KDDI
KDDIでは、新プランpovoの提供を2021年3月から予定しています。
画像引用元:povo公式サイト
povoの主な特徴は以下の通りです。
- 月額2,480円(税抜)で20GB使える
- 5G回線の利用が可能(2021年夏から)
- 24時間200円でテザリングを含めてデータ使い放題
5分間の通話定額が含まれないため、NTTドコモの新料金プランと比較して月額料金が安いのが特徴です。5分間の国内通話かけ放題オプションは月額500円で追加することもできます。時間無制限のかけ放題オプションは月額1,500円で追加できます。
auショップなどの店舗を構えないオンライン専用サービスのため、ショップでの申込み・サポートはできません。
各社の新プランと格安SIMの料金を比較
NTTドコモ・ソフトバンク・KDDIの2021年3月から始まる料金プランの料金と、格安SIMを代表してLINEモバイルの料金を比較します。
表示価格は税抜きです。
NTTドコモ | ソフトバンク | KDDI | LINEモバイル | |
プラン名 | ahamo | LINEMO | povo | ベーシックプラン(音声通話SIM) |
月額料金 | 2,700円 | 2,480円 | 2,480円 | 3,200円 |
通信量 | 20GB | 20GB | 20GB | 12GB |
通話料金 | 5分以内の国内通話無料(5分超過後は30秒あたり20円) | 30秒あたり20円 | 30秒あたり20円 | 30秒あたり20円 |
通話オプション | かけ放題オプション:月額1,000円 | 5分以内の国内通話無料オプション:月額500円
かけ放題オプション:月額1,500円 |
5分以内の国内通話無料オプション:月額500円
かけ放題オプション:月額1,500円 |
10分以内の国内通話無料オプション:月額880円 |
このように、大手キャリアの大幅な値下げにより、申し込むプランや会社によっては大手キャリアの方が料金が安くなることもあります。しかし、大手キャリアの値下げに対抗して更なる値下げに踏み込む格安SIMもあるため、今後は格安SIMの更なる価格競争が予想されます。
大手キャリアの新プランは、格安SIM同様、実店舗でのサポートがないなどのデメリットもあるため、それぞれのメリット・デメリットをよく検討しましょう。
音声通話のできる格安SIMを5社ご紹介
以下では、音声通話のできる格安SIMを5社ご紹介します。
それぞれの格安SIMの特徴や料金プランを確認して、自分に合った格安SIMを選びましょう。
LINEモバイル
画像引用元|LINEモバイル
- LINEがデータフリーなので、どれだけLINEを使ってもギガが減らない
- TwitterやInstagramなどのSNSや音楽アプリもデータフリーになるオプションに格安入れる
- 格安SIMにも関わらず店舗でも申し込み可能
なお、ソフトバンクによる吸収合併・新ブランドLINEMOの開始に伴い、LINEモバイルの新規申し込みは2021年3月31日に終了します。新規申し込みの終了後も、現在のサービスは今まで通り継続されます。
料金プラン
音声SIMのベーシックプランの料金は以下の表の通りです。
データ容量 | 月額基本利用料(税別) |
500MB | 1,100円 |
3GB | 1,480円 |
6GB | 2,200円 |
12GB | 3,200円 |
月額880円で10分電話かけ放題オプションに加入することができます。
通話料金は30秒あたり20円です、
楽天モバイル
- 毎月のデータ使用量でその月の支払い金額が変わる
- 現在の「Rakuten UN-LIMIT V」が、2021年4月に「Rakuten UN-LIMIT VI」に自動でアップグレード
- 今申し込むとプラン料金が1年間無料
- データ1GBまでなら基本料金が無料(※)
※製品代、オプション料、通話料等は別費用
料金プラン
2021年4月から開始されるRakuten UN-LIMIT VIの料金は以下の通りです。
データ使用量 | 月額基本利用料(税別) |
~1GB | 0円 |
~3GB | 980円 |
~20GB | 1,980円 |
無制限 | 2,980円 |
楽天モバイル専用アプリのRakuten Linkを利用すれば、Rakuten Link同士の通話やメッセージの送受信が無料になります。
アプリを利用しない場合の通話料金は30秒あたり20円です。
mineo
画像引用元|mineo
- ユーザー間でデータを分けあえる
- 提携店舗が全国200店舗以上であるので、対面のサポートが受けやすい
- 事前にmineoを体験できるサービス「mineoプチ体験」があるため、気軽にお試しできて安心
料金プラン
デュアルタイプ(音声通話+データ通信)の料金は以下の通りです。
データ容量 | 月額基本利用料(税別) |
1GB | 1,180円 |
5GB | 1,380円 |
10GB | 1,780円 |
20GB | 1,980円 |
mineoは通話オプションが豊富なのも特徴です。
専用アプリmineoでんわからの発信で通話料金は30秒あたり10円になります。アプリを利用しない場合の通話料金は30秒あたり20円です。
通話オプションは以下の表の通りです。
オプション名 | 月額基本利用料(税別) |
mineo電話10分かけ放題 | 850円 |
通話定額30(月間最大30分間、定額で国内通話ができる) | 840円 |
通話定額60(月間最大60分間、定額で国内通話ができる) | 1,680円 |
BIGLOBEモバイル
画像引用元|BIGLOBEモバイル
- エンタメフリーオプションでストリーミングサービスが使い放題
- 6GB以上の契約なら全国83,000ヶ所の「BIGLOBE WiFi」が無料
- シェアSIMで、契約したデータ容量を複数の端末でデータシェアできる
料金プラン
音声通話SIMの料金は以下の通りです。
データ容量 | 月額基本利用料(税別) |
1GB | 1,160円 |
3GB | 1,600円 |
6GB | 2,150円 |
12GB | 3,400円 |
20GB | 5,200円 |
30GB | 7,450円 |
データ追加チャージ | +100MBごと300円 |
BIGLOBEモバイルは通話オプションが豊富です。
お使いの電話番号そのままで、国内通話が半額になる専用アプリ「BIGLOBEでんわ」からの発信で、通話料金は30秒あたり9円になります。アプリを利用しない場合の通話料金は30秒あたり20円です。
BIGLOBEでんわを利用した通話オプションは以下の表の通りです。
オプション名 | 月額基本利用料(税別) |
10分かけ放題 | 830円 |
通話パック90(月間最大90分間、定額で国内通話ができる) | 830円 |
3分かけ放題 | 600円 |
通話パック60(月間最大60分間、定額で国内通話ができる) | 600円 |
日本通信SIM
画像引用元|日本通信SIM公式サイト
- 基本プランでも70分間の無料通話がついている
- 1GBあたり250円でデータ容量を買い足せる
- 専用アプリは必要なく、70分の無料通話終了後の通話料金は30秒あたり10円
料金プラン
合理的20GBプランと合理的かけほプランの料金は以下の通りです。
合理的20GBプラン | 合理的かけほプラン | |
料金(税別) | 1,980円 | 2,480円 |
データ容量 | 16GB(2021年4月から20GB) | 3GB |
データ追加 | 1GBあたり250円・30GBまで | 1GBあたり250円・30GBまで |
通話 | 70分間無料 | かけ放題 |
格安SIMで通話する場合のまとめ
この記事では、以下の内容についてご紹介しました。
- 格安SIMで通話する場合のSIMカードの選び方
- 音声通話のできる格安SIMの選び方
- 大手キャリアの新料金プランと格安SIMの料金の比較
- 音声通話のできる格安SIM会社5社
普通の電話ができないと勘違いされることもある格安SIMですが、ほとんどの格安SIMで音声通話をすることができます。頻繁に通話をする方は、通話プランやオプションがある格安SIMを選ぶと安く通話ができるのでおすすめです。
しかし、格安SIMには公式の補償サービスがない場合が多いです。今までにスマホを壊したり、なくしたりしたことがある方は不安が残るのではないでしょうか。
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