最近では、スマホの乗り換えが簡単にできる「eSIM」という言葉を聞いて、興味を持った方もいると思います。
この記事では、eSIMのメリット・デメリットや対応している携帯会社をご紹介しています。
目次
eSIMとは
eSIMとは、SIMカードのように物理的なSIMではなく、最初からスマホ内部にSIMの機能が組み込まれているものです。
eSIMが導入された経緯
2020年10月27日、総務省は、携帯電話料金の値下げにつなげるために、eSIMの普及を進めると発表しています。eSIMの普及によって、契約事業者の乗り換えが簡単になり、事業者間の競争が促進し、最終的に携帯電話料金の値下げにつながるという考えです。
eSIMのメリット
eSIMのメリットは以下の通りです。
SIMカードの購入が不要ですぐに使える
eSIMは、オンラインでお申し込み後、アプリやQRコードなどでeSIMのダウンロードをし、利用手続きをすることですぐに使えるようになります。オンラインや店頭などでSIMカードを購入してから、スマホ内部に差し込むという動作がなくなるので、利用開始までの時間を短縮できます。
スマホ1台で2つの用途に使い分けられる
eSIM対応のスマホは物理的なSIMカード用のスロットも付いており、eSIMとSIMカードの2つの回線を同時に使用できます。例えば、仕事の連絡はeSIMの回線を、プライベートの連絡はSIMカードの回線を使うなど、スマホ1台で2つの用途に使い分けることができます。
海外渡航時に現地でプリペイドSIMを購入する必要がなくなる
海外渡航時には、現地のキャリアの通信プランを契約して、プロファイルをダウンロードするのみで通信ができます。海外に慣れていない方には、海外でSIMカードを購入するだけでもひと苦労だと思いますが、eSIMの場合は、現在使用中のSIMカードを取り外すことなく、Wi-Fiがある環境下ならどこでも手続きが可能で、同時に2つの回線を利用することができます。
eSIMのデメリット
eSIMのデメリットは以下の通りです。
SIMロック解除が必要
eSIM対応機種でも、他社回線のeSIMを使う場合は、SIMカードと同様にSIMロック解除が必要になります。参考に、大手キャリアのSIMロック解除手数料は以下の通りです。
受付場所 | ドコモ | au | ソフトバンク |
Webページ | 0円 | 0円 | 0円 |
店頭 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
eSIM対応機種以外は使用不可
このようにメリットが多いeSIMではありますが、現時点ではeSIMを使用できるのは一部のeSIM対応機種のみで、まだ多くはありません。
今後の各社の動向が注目されてます。
eSIM対応のサービス数が少ない
2020年11月9日現在、日本国内では、まだeSIM対応のサービスはそれほど普及していません。
eSIM対応のサービスとして、IIJmioの「データプラン ゼロ(eSIM)」や、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT V」が挙げられます。
IIJmio
IIJmioは、eSIM対応のサービスとして、データ通信専用の「データプラン ゼロ(eSIM)」と「eSIMプラン(ベータ版)」を提供しています。以下で、両サービスの月額料金やデータ通信量についてご説明します。
データプラン ゼロ(eSIM) | eSIMプラン(ベータ版) | |
初期費用 | 3,000円(ただし、2020年11月30日までは1円) | 3,000円 |
月額料金 | 150円 | 1,520円 |
データ通信量 | 0GB | 6GB |
追加データ量 | 1GB:300円
2〜10GB:450円 |
100MB:200円 |
楽天モバイル
楽天モバイルは、eSIM対応のサービスとして、「Rakuten UN-LIMIT V」を提供しています。以下で、本サービスの月額料金やデータ通信量についてご説明します。
Rakuten UN-LIMIT V | |
初期費用 | 0円 |
月額料金 | 2,980円 |
データ通信量 | 楽天回線エリア:制限なし
パートナー回線エリア:5GB |
通話料金 | Rakuten Link:0円
通常の電話:20円/30秒 |
・2020年11月4日現在、楽天モバイルは、月額料金が1年間無料になる「Rakuten UN-LIMIT V プラン料金1年間無料キャンペーン」を実施しているので、Rakuten UN-LIMIT Vへの契約を考えている方は確認することをおすすめします。
eSIM対応のiPhoneは限られている
Apple公式サイトによると、iPhone XS・XS Max・XR以降のiPhone機種はeSIMに対応しているとのことです。具体的に、eSIMに対応しているiPhone機種は以下の通りです。
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone XR
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 12
- iPhone 12 mini
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
大手キャリアのeSIMへの対応状況
ドコモ・au・ソフトバンクなどの大手キャリアのeSIMへの対応状況は、以下の通りです。
ドコモ
ドコモは「ドコモeSIMカード・eSIM」を提供しています。ドコモeSIMカード・eSIMの対応機種は、タブレット機種とキッズケータイのみで、スマホには対応していません。
ドコモeSIMカードの対応機種 | ドコモeSIMの対応機種 |
|
|
au
auは「海外データeSIM powered by GigSky」というプランを提供しています。本サービスは、2020年11月30日で終了するので、これから申し込む予定の方は注意しましょう。
ソフトバンク
ソフトバンクはauと同様に、eSIMに対応した機種を提供していません。
最後に
ここでは、eSIMのメリットデメリット、eSIMを導入している携帯会社についてご紹介しました。
楽天モバイルやIIJmioはeSIMの普及に積極的です。大手キャリアはまだeSIMに対応したサービスや対応機種などを多く提供していないので、今後の動向に注目しましょう。
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